11月28日は親鸞聖人の御命日、あっという間に御正忌の時期となりました。
こんにちは、正法寺法務員の谷です。
11月28日(火)『花をいけてみよう お荘厳を知る②~お花を生けるちょっとしたコツ~』を行いました。
【ナムアミダブツ】というお念仏と正信偈のお勤めから月一報恩講は始まります。
(書写はお休み。テキストはこちら → 『書いて学ぶ 親鸞のことば 正信偈』)
今回は『お花(仏花)の生け方』について、住職が解説しました。
真宗大谷派(東本願寺)の仏花は、『池坊(いけのぼう)』の流れをくんでいます。
大自然を表現する立花式の挿し方が基本様式。
景色の中心や高低差のある山々、海へと流れる川などを役枝と花材で表現します。
しかし、仏花の大きさはお内仏の大きさによって決まってくるもの。
お内仏の花瓶に合わせ、草ものだけを生けても良いです。
また原則として洋花や造花は用いないとされていますが、気にしすぎることはないでしょう。
住職の指導で『直真立花(すぐしんりっか)』と呼ばれる立て方を実際に体験。
同じ花材を使い、同じように生けていても、出来上がりに違いがある所に奥深さを感じます。
そして、一つとて同じ花はないことを改めて思い知らされた所で、時間となりました。
一回では分からなくても、継続することであきらかになることがある。
坊守が繰り返し行うことの大切さを伝え、来年の月一報恩講への参加を呼びかけて終わりました。
文責:谷
無意識に使っていたもの、意識してみた秋晴れの日。
こんにちは、正法寺法務員の谷です。
10月28日(土)『お線香を作ろう~自分だけのオリジナル線香作り!~』を行いました。
【ナムアミダブツ】というお念仏と正信偈のお勤めから月一報恩講は始まります。
(書写はお休み。テキストはこちら → 『書いて学ぶ 親鸞のことば 正信偈』)
今回はお線香作り、まずは住職がお香の起源、日本での歴史などについて話しました。
日本において「薫りの文化」は特別なもの、貴重なものとして発展していきます。
戦国の世になると貴重な香木は権力の象徴、天下人の証としても扱われたようです。
印象的だったのは、日本でお線香(棒状のお香)が登場する江戸時代、
製法が伝わった場所として、長崎が登場する説がいくつかあることでした。
仏事で大変お世話になっているお線香、発祥の地だとは驚きです!(諸説あり)
続いて、代表的な香木を紹介。
沈香(ぢんこう)と伽羅(きゃら)については実物を用意して香りを体験。
この二つは、木そのものではなく樹脂が変質することで出来る特殊なもので、
なかでも伽羅は現在でもメカニズムが解明されていない最高峰の香木。
「人工の沈香はあるが、人工の伽羅はない」との言葉と共に、香りの違いを味わいました。
いよいよ、オリジナル線香作りがスタート。
用意された様々な香原料を計量し、丁寧に混ぜ合わせていきます。
用意した香原料の組み合わせはこちら ↓
1・白檀ベース(6種類+のり材)
2・沈香ベース(9種類+のり材)
3・フリースタイル(1・2の香原料+その他香原料からお好み)
水を加え練り上げていき、手や道具を使って棒状や三角コーン型に整えます。
湿度にもよりますが、一日ほど乾燥させて出来上がり。
どのお香も普段使っているものとは一味違う逸品になったのではないでしょうか。
インドのお香の習慣が仏教に取り入れられてから、お香は仏事には欠かせないものの一つです。
お内仏などで出来上がった唯一無二のお香を焚き、是非お参りしてみてください。
次回の月一報恩講「行いがわたしを導く時間」は、
11月28日(火)
『花をいけてみよう お荘厳を知る②~お花をいけるちょっとしたコツ~』
の予定です、皆様のご参加お待ちしております。
※花鋏(花切りハサミ)がある方はお持ち下さい。
文責:谷
暑さ寒さも彼岸まで、諸行無常を実感する季節の変わり目。
こんにちは、正法寺法務員の谷です。
9月28日(木)『DODARO(どーだろー)?カード~アート作品から知ろう!~』を行いました。
【ナムアミダブツ】というお念仏と正信偈のお勤めから月一報恩講は始まります。
お勤め後は書写の時間です。テキストはこちら → 『書いて学ぶ 親鸞のことば 正信偈』
さて、今回行ったのはトークカード『DODARO?(どーだろー?)』
このカードは勝ち負けを決めるゲームではなく、コミュニケーションツールです。
1 カードを引き、問いについて考える
2 順番に自分の考えや思ったことを発表する
他者の考えや思いは尊重して聞く
3 QRコードを読み、その場にいない方の考えと僧侶の法話を味わう
という流れで行います。
様々な問いがカードに書かれており、難しい問いから些細な問いまで幅広く、
「よく会う方なのに、そんな事を考えていたとは知らなかった」と坊守が語る通り、
普段の会話とは違ったコミュニケーションが図れます。
また、問いに沿った法語や法話を味わったあとに、改めて話し合えるのも魅力です。
最後に住職は、本願寺第八代の蓮如上人が座談会を勧めておられることを紹介しました。
【 四五人の衆、寄り合い談合(だんごう)せよ。必ず、五人は五人ながら、
意巧(いぎょう)にきくものなり。能く能く談合すべき 】 蓮如上人御一代記聞書 第120条
( 法話の後には、四五人の者が寄り集まって、聞いた内容について話し合いをせよ。
必ずといっていいほど、五人いれば五人ながら、銘々自分に都合のよいように
聞くものである。それゆえ、十分に語り合って確かめなければならない )
< 『現代の聖典 蓮如上人御一代記聞書』 法蔵館 より引用 >
上記したところもそのひとつです。住職はまとめとして、
法話や勉強会で教えをいただき、そこから自分の受けとめを語り、確かめ合う座談会と、
身近な問いについて自由に語り合った後、問いに沿った教えを味わう今回のような座談会は、
仕組みが対照的になっていることを伝え、その取り組みやすさからも、
三条別院が発行しているこのカードをオススメしました。
実際に体験した皆様からも、良いリアクションをいただけたと感じております。
是非、ご自宅でもあそんでみてはいかがでしょうか、もとい、DODARO?
次回の月一報恩講「行いがわたしを導く時間」は
10月28日(土)
『お線香を作ろう~自分だけのオリジナル線香作り!~』
の予定です、皆様のご参加お待ちしております。
文責:谷
全国的に厳しい暑さが続き、熱中症など体調には十分注意したい夏。
こんにちは、正法寺法務員の谷です。
7月28日(金)『仏具を磨こう お荘厳を知る①~お家の仏具、光ってますか?~』を行いました。
【ナムアミダブツ】というお念仏と正信偈のお勤めから月一報恩講は始まります。
今回は暑さと時間の都合で正信偈にかわって真宗宗歌を歌いました。(書写もお休みです)
真宗大谷派勤行集(赤い本)にも載っており、その他の讃歌もいくつか収録されているので、
お持ちでない方も、お寺に用意されているものを手にとって、是非ご覧くださいませ。
さて、仏具を下ろして研磨剤などで磨く行事を、『おみがき』と呼びます。
浄土真宗のお寺の本堂やお内仏(仏壇)といえば金色でキラキラと輝いていますね。
ご本尊は阿弥陀如来、阿弥陀は元となるインドの言葉の音をとって漢字にあてた言葉です。
「アミターユス」「アミターバ」の二つを意味していて、
住職はそれぞれ「無限の慈悲のいのちの仏」「無限の智慧の光の仏」と訳し、
智慧の光、極楽浄土の功徳を表現するため金色に輝いていることを伝えました。
金色に見える仏具の素材は、金の代用として真鍮(しんちゅう:黄銅とも呼ばれる)が主に使用されます。
仏具以外で身近なものは五円玉や金管楽器。金管楽器で編成された楽団はブラスバンドと呼ばれ、
真鍮(黄銅)は英語でブラスと言うことからきていると住職が話すと、参加者の皆様が大きく反応していました。
金はさびない(酸化しない)のに対し、真鍮は酸化すると次第に黒っぽい色味に。
煤(すす)や灰、埃(ほこり)など、どんなに丁寧に扱っていたとしても、少しずつ汚れていきます。
そのため『おみがき』が大事にされてきたのでしょう。
住職は、本堂やお内仏の輝きをとりもどし、お荘厳(しょうごん:お飾り)を整えることが、
亡き人を(浄土に生まれた)諸仏と仰いできた真宗門徒にとって、極楽浄土の功徳をたたえることであり、
諸仏の呼びかけに、私も浄土に生まれていきたいと敬いの気持ちをもってこたえる行いであると、まとめました。
仏具の磨き方については、こちらの動画を参考にさせて頂きました。
おりんの磨き方を教えて!【教えてコバヤン10】 株式会社滝本仏光堂お仏壇ちゃんねる 様
いよいよ実践、持ち込みの仏具やお寺の仏具を参加者の皆様と一緒に磨きます。
こまめに休憩しながら、おやつに水分補給、暑い中にも関わらず、キラキラに磨かれていく仏具の数々。
お盆に向け、お荘厳が整えられる本堂には、今回磨いてくださった仏具が飾られます。
参加者の皆様、暑い中での作業、本当にありがとうございました。
次回の月一報恩講「行いがわたしを導く時間」は、
9月28日(木)
『DODALO(どーだろー)?カード~アート作品から知ろう!~』
の予定です、皆様のご参加お待ちしております。
※8月はお休みです。
文責:谷
激しい雷の音のあとに停電、そして鳴り響く火災報知器に慌てた梅雨の一日。
こんにちは、正法寺法務員の谷です。
6月28日(水)『真宗門徒の終活ノート~"法名"を生前にいただく?!~』を行いました。
本堂・敷地内の安全確認が済み、停電も雨天高所の中で懸命に復旧作業をして下さった、
送配電のプロフェッショナルの方々のおかげで、月一報恩講の時間に間に合いました。
【ナムアミダブツ】というお念仏と正信偈のお勤めから月一報恩講は始まります。
お勤め後は書写の時間です。テキストはこちら → 『書いて学ぶ 親鸞のことば 正信偈』
数時間前には「ジリリリ...!」っと大きな音が響いていたとは思えない本堂で、
心を落ち着かせ、私も書写に取り組みます。
自分の思いは置いておいて、与えられた言葉をひたすらなぞる、これが意外と難しい。
そんなことないよ!っと思った方は是非チャレンジしてみてください!
お茶とおやつで休憩した後、いよいよ表題について住職が話します。
『真宗門徒のお葬式~真宗の仏事の回復を願って~』(真宗大谷派大阪教務所発行)と、
『通夜・葬儀のこころ』(東本願寺出版部発行)の二つの冊子を配布しました。
まず終活で考えることを大きく四つに分け、
1.身の回りのものを整理すること
2.医療のこと
3.葬儀のこと
4.その他、保険や財産のことなど
そして、近年終活が取り上げられる要因として、
1.周り(家族)に迷惑をかけたくない
2.孤独や孤立感から不安がある
3.死がどこか他人事である
と解説しました。
また、葬儀のことは宗教との結びつきもあることから【宗活】と表現し、
時代の流れと共に、仏事から人事へと変わっていった儀式などについては原点を掘り下げ、
仏事は「(亡き人の生前のご苦労など)いただいたものをいただきなおす」場でもあると伝えました。
ここで小休止、水分補給後、住職から坊守へとバトンタッチ。
森山良子さんが亡き兄への思いを込めて作詞された『涙そうそう』(沖縄の言葉で涙がぽろぽろこぼれ落ちる様子)
亡き人へ思いをはせる、おもいやる、その心が柔らかなメロディーと合わさった名曲です。
坊守が「亡くなった人がいるからお寺にくる、私もそうです」と、お寺に出向くきっかけを話し、
『行いがわたしを導く時間』に相応しく、集まった皆様と一緒に歌いました。
最後は住職が法名と戒名についての解説、生前に法名をいただく帰敬式の紹介をして、終了時間となりました。
親鸞聖人の法名が【釋親鸞】の三文字なことや【愚禿】とつけることもある親鸞聖人の姿勢についての話では、
集まった皆様が様々なリアクションをされていたのが印象的でした。
ちなみに私の法名は【釋彰和】です。
機会があれば、身近なお坊さんの法名(戒名)を聞いてみると参考になるかもしれません。
正法寺では今年の12月に帰敬式を行いますので、気軽にお問い合わせください。
次回の月一報恩講「行いがわたしを導く時間」は、
7月28日(金)
『仏具を磨こう お荘厳を知る①~お家の仏具、光ってますか?~』
の予定です、皆様のご参加お待ちしております。
※7月は時間の都合上、書写の時間はお休みです。
文責:谷