よくある質問2014年06月09日 - 中陰が三月にまたがる事はよくないのですか?
正法寺では葬儀後の三日参りの際、この質問をよくお受けします。中陰とは葬儀・告別式・還骨勤行(かんこつごんぎょう)をすませた後の四十九日までの期間を指します。初七日から七七日(満中陰)までのことです。月の真ん中以降に亡くなられた場合、四十九日の法要は翌々月になり、中陰の期間が三月にまたがるのですが、その事を心配される方が少なからずおられるという事です。この心配事の原因は諸説あるようですが、中陰の期間を「始終(しじゅう)苦(く)(四十九)が身につく(三月・みつき)」と捉え、「死」という事を自分のそばに置かないように、身につかないようにとした考えが根底にあるようです。しかしそうであるならば、三月を三か月(さんかげつ)と言い換えればよい事にもなります。浄土真宗における中陰とは、亡き人を偲ぶと共に「私自身を見つめる」期間であります。亡くなった方への思いを手掛かりに「私自身もまた死にいく身である」という事実に目覚め、今の自分自身の生き方を見つめ直す。その様な期間です。決して死を忌み嫌うという事はありません。ですので、語呂合わせの心配事にとらわれずゆっくりと亡き人に思いをはせ、自分自身の「生死」を問い直す、そのような中陰期間を過ごしていただきたいと思います。